思い入れのある句碑をオリジナルデザイン墓石として建立、高松市の地域墓地にて。
こんにちは。弊社のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。まるくに石工房の渡辺です。
今回ご紹介させていただきますのは、高松市の地域墓地に建てさせていただいたオリジナルデザイン墓石です。
実はこちらのお墓、家名が彫刻された丸い台座と中央がくり抜かれた円形の竿石は、もともと句碑として建てられたものでした。
こちらがその「句碑」です。お施主様の親御さんが、その昔ご自宅の庭に建てられたもので、中央に穴を開けた円形の石に俳句が彫刻されています。お施主様にとってもたいへん思い入れのある句碑で、この度親御さんのお墓を建てられるにあたって、この句碑をお墓として建てられないか・・・とご相談をいただきました。以前弊社でお墓を建ててくださったお客様を通じて、今回のお話を頂きました。
お施主様のご要望をお伺いしながら検討を重ね、地上型の納骨室を作成し、その上に竿石と台座の石を据えることにいたしました。
石は台座が庵治石の中目、上の石が庵治石の細目です。撤去後、いったん工場に搬入し、石を磨き直します。
建ててから年月があまり経っていない場合は、石を磨いたツヤが残っているので、クリーニングをすることで表面の水垢やコケなどの汚れを取り除いてきれいにすることができます。
ところが、今回の句碑はかなりの年数が経過している様子で、石自体のツヤも失われておりましたので、工場に石を運び込んで再度研磨をする「磨き直し」をご提案させていただきました。石の表面を削って新しい面を出し、それをもう一度磨き直すという方法です。
通常の墓地のように広い場所からではなく、住宅の庭から石を搬出する作業は、いつにも増して神経を遣い慎重に行いました。
こちらが建立前の墓地の様子です。
思い入れのある句碑を竿石として使用したオリジナルデザイン墓石が完成しました。
新たに作成した地上納骨室、花立、法名碑は庵治中目石を使用いたしました。地上型の納骨室は高さやボリューム感があり、洋型墓石やデザイン墓石とマッチします。また室内も広く、ご遺骨が余裕をもって納められるようになっています。
左手前に据えているのは同じく庭にあった水鉢状の石で、一緒に移設いたしました。
背面からの様子です。土間はお施主様のご要望で敢えて防草対策はせず、真砂土を敷いて自然に仕上げています。
自宅の庭に設置していた句碑が、唯一無二のデザイン墓石となって蘇りました。句碑の台座部分の石に家名を彫刻しています。磨き直した竿石の俳句には、色を入れ直しました。
お施主様のアイデアが生み出した世界にただ一つのオリジナルデザイン墓石が完成しました。
「墓石ではないけれど、思い入れのある石をお墓として建てることができるんでしょうか・・・」と、最初は不安を感じられながらご相談が始まりましたが、お施主様のご要望をしっかりとお伺いしながらご相談を重ねた上で建てさせていただきました。
お施主様の想いのこもったデザイン墓石、きっと句碑を建てられた親御さんも喜んでおられることと思います。末永く大切にお参りしていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
この度は、このように貴重な機会と経験をいただきまして、誠にありがとうございました。今後共、どうぞ宜しくお願いいたします。
株式会社 まるくに石工房 担当:渡辺
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