香川県宇多津町の寺院墓地で、江戸時代から守って来られたお墓の移設工事を行いました。同じ墓地内で水はけの悪い低地から高地へ。

こんにちは。弊社のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。まるくに石工房の泉です。

今回ご紹介させていただきますのは、香川県宇多津町の寺院墓地でのお墓の移設工事例です。

今回は、同じ墓地内でのお墓のお引越しでした。

 

こちらが移設前の墓地の様子です。お地蔵様も含めて印の付いた8基を移設します。
寺院内でも初期に建てらてたお墓で、長年の間に周囲の墓地が嵩上げされた影響で低地になってしまい、水はけが悪く土や落ち葉などが溜まりやすくなって大変お困りでした。墓地の地面を嵩上げするという方法もありますが、ご予算的に難しく、お寺様にご相談されたところ、元の墓地よりも高い所にある区画が空いているということで、そちらに移設することになりました。お寺様よりご紹介をいただきまして、弊社で工事をさせていただくことになりました。

 

こちらが移設先の区画です。移設前よりも狭い敷地に移す場合は、お墓を整理して数を減らしてまとめることが多いのですが、お客様は「ご先祖様が建てたお墓を長年大切に守ってきたので、そのまま全部を移設したい」というご要望でした。これまでよりも墓地が狭くなるので、配置を工夫する必要があります。

 

配置予定の図面です。「全部のお墓にお花をお供えできるようにしたい」というお客様のご要望を伺いながら、検討を重ねて最終的にこの配置に決定しました。

 

これから移設作業を始めます。通路が狭く重機が入りませんので、移設は全て人力の手作業で行います。墓地内で50mほどの距離を移動しました。古い墓石はもろくなっている部分もありますので、息を合わせて慎重に丁寧に作業しなければなりません。

 

図面通りに墓石を奥から据え付けていきます。

 

あともう一息で据え付けが終わります。

 

移設が完了しました! 全部のお墓にお花を供えて、正面と右側からお参りが出来るように工夫した配置です。

 

図面と設置後の画像を並べてみました。

 

こちらの寺院墓地の中でも初期に建てられた江戸時代のお墓もあり、墓石には嘉永(1848年~1855年)や天保(1831~1845年)の元号も刻まれています。
たいへん古い墓石なので脆くなっている部分もあり、移設の際に少しの衝撃でも石が崩れる可能性があることを予めお客様にはお伝えしておりましたが、移設時に崩れてしまった部分は補修を行いました。

 

施工後の様子をご覧になって、お客様からは「敷地がだいぶ狭くなるので、本当に墓石が入るのか図面を見ても想像ができなかったけれど、実際にきちんと収まってホッとしました」と喜んでいただきました。

これから水はけや土の流入に悩まされず、ゆっくりとお参りしていただけることと思います。かなり古い墓石群で脆くなっているものもありましたので、移設には普段以上に神経を遣いましたが、無事に工事を終えることができました。
この度はご用命くださいまして、誠にありがとうございました。今後共、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

株式会社 まるくに石工房 担当:泉
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