香川県木田郡三木町の地域墓地でお墓の移設工事を行いました。既存の庵治石のお墓を再研磨してリフォームしました。

こんにちは。弊社のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。まるくに石工房の伏見です。

今回ご紹介させていただきますのは、香川県木田郡三木町の地域墓地で行ったお墓の移設・リフォーム工事例です。
ご依頼くださったのは60代のご夫婦で、HPからお問い合わせをいただき、工事をさせていただくことになりました。ありがとうございます。

 

こちらが工事前の墓地の様子です。日当たりの良い墓地です。写真では分かりづらいと思いますが、実はお墓に傾きが生じています。今回、こちらの墓石を撤去して、別の墓地に建っているお墓をリフォームして移設することになりました。

 

こちらが移設する前のお墓の写真です。
先ほどの墓地からそう遠くない場所に建っているこのお墓は、お施主様のおじいさまが当時こだわりを持って建てられたそうで、庵治石製の10寸のしっかりとしたお墓です。昭和に建てられたのでかなりの年月が経っていますが、山すその樹木の下という立地条件のため日当たりが悪くジメジメしており、墓石に苔が付いて黒ずみも付着しています。樹木の下は樹液などの汚れが石に付きやすく、周囲の落ち葉や雑草もなかなかのものです。

 

お墓に傾きが生じていたので、お施主様はそこを一番気にしておられました。今後はお墓が傾かないように、まずは地盤の整備をキッチリ行いました。墓石を撤去して、地面をしっかりと叩いて整えた上に格子状の鉄筋を敷き、その上からコンクリートを打っています。後々の管理のことも考慮して、雑草対策として全面コンクリートにしました。

 

五色の玉砂利を敷いて、お墓の移設工事が完了しました。

 

山裾の墓地に建っていたお墓を再研磨して据え直しました。工場に石を運び込んで石の表面を削って新しい面を出し、それをもう一度磨き直すという方法です。石のツヤがよみがえり、まるで新規に建立したお墓のようです。もともとが品質の良い庵治石だからこそ、磨き直しで見違えるようにきれいに蘇りました。
お墓の再研磨は特に神経を遣う工程です。古いお墓は縦横の寸法の微妙な差などもけっこうあるのですが、据え直す際に狂いが生じないように調整しながら作業を進めてまいります。

 

水鉢の奥に線香立てとローソク立てを設置しました。家紋や側面の彫刻には色を入れ直しています。花立は穴を加工してステンレス製の花筒をセットしました。

 

正面文字を彫り直すために額縁彫りにしました。文字の周囲を額縁の様に残し、以前の文字が彫刻されていた面よりもさらに深く削った面に新たに「南無阿弥陀沸」と彫刻しています。側面にも彫刻をしなければなりませんので、このように彫ることで、竿石の厚みを変えずに正面文字を変更することができます。

 

移設したお墓をご覧になって、お客様は「これ本当に同じお墓ですか?」とたいへん驚いていらっしゃいました。おじいさまがこだわって建てられたお墓に手を加えて、このように新しい形で残すことができて、「おじいさんに対しても良いことができました」と喜んでくださいました。
地盤整備もしっかりと行っておりますので、これからも安心してお参りしていただけることと思います。

 

ご相談いただいた当初は、新しい墓地を取得されることも選択肢の中にあり、それを踏まえていろいろなパターンのお見積りをさせていただきました。いろいろとご検討いただいた結果、既存の墓地の日当たりの良い方にお墓を集約するというかたちに落ち着きました。
これからもお客様に喜んでいただけるお墓作りができるよう、ご要望を丁寧に伺いながらご提案をしていきたいと思います。

この度はご用命くださいまして、まことにありがとうございます。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

 

株式会社 まるくに石工房 担当:伏見
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